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【東大寺】 世界で一番大きい木造建築

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日本で一番大きなお寺といえば、奈良の東大寺です。その境内はなんと12万坪にも及びます。
また同時に、世界一大きい木造建築物でもあります。(東西57m、南北50.5m、高さ50.5m)
平城京の東にあることから東大寺と呼ばれていますが、正式には金光明四天王護国之寺と言います。
本尊は日本人で知らない人はいないほど有名な「奈良の大仏」盧舎那仏(るしゃなぶつ)です。
国宝は、南大門の金剛力士像、金堂、法華堂(三月堂)と本尊の不空けんじゃく観音像、「お水取り」の行事で有名な二月堂など多数あり、まさに博物館のようなお寺です。1998年には、古都奈良の文化財の一部として、ユネスコより世界遺産に登録されています。
奈良時代の国家事業のシンボルであり、その壮大なスケ-ルに対し、誰もが畏敬の念を抱かずにはいられません。

◆創建の由来◆

東大寺のはじまりは、今から千年以上前の728年、聖武天皇の皇太子、基王の菩提を追修する為に建てられた金鐘山寺にまで遡ります。この金鐘山寺において740年、日本で初めて、華厳経(大乗仏教の一つの経典)の講話が始められました。その主催者は良弁僧正(後に東大寺初代別当となる方)です。この講義では、森羅で華厳経の教えを学んだ大安寺の審祥を招いて、ブッダバドラという人が中国語に訳した六十華厳という六十巻本の華厳経をテキストにしたとされています。741年には、聖武天皇により、国分寺、国分尼寺建立の詔が発せられ、全国に国府を中心として僧寺と尼寺が置かれました。この頃、金鐘山寺は大和国の国分寺に充てられ、金光明寺とも呼ばれるようになりました。現在に伝わる「東大寺」の寺号が用いられるようになった大仏の鋳造が始まった747年頃からと推測されています。この大仏殿を中心とする東大寺の七堂伽藍の造営は、789年の造東大寺司(東大寺を運営する為の役所)の廃止まで続けられ、一旦の完成を見ることになります。多大な尽力をした良弁、聖武天皇、行基、菩提僊那の4人は「四聖」と呼ばれ現在まで語り継がれています。

  特別保護建造物
「特別保護建造物及国宝帖」内務省宗教局編、東京:審美書院、明43年より

◆「奈良の大仏」盧舎那仏像(るしゃなぶつ)◆

世界にはもっと大きな仏像がありますが、それらは石造です。
金剛仏としては世界最大とされるのが、「奈良の大仏」で、正式には盧舎那仏像といいます。
さて、この大仏は聖武天皇の命によって作られたと伝えられています。
当時の日本は、天変地異が相次ぎ、厳しい飢饉も続いた上、朝廷内では陰謀が渦巻き、各地で氾濫が起きていたそうです。
そんな前途多難な状況にあって、天皇は仏の力に頼ろうとして大仏建立を思い立ったと推測されています。
想像しただけでも大変そうなこの大工事、延べ約42万人が参加し、大仏鋳造だけでおよそ3年8ヶ月の期間がかかったそうです。

気になるその工法ですが、まず石を積んで土台を造り、その上に木で大仏の骨組みを組み立てる流れだったそうです。
その後、その上に、粘土を塗り固めて、元になる像(中型)を造り、乾燥させます。
そして、その上にミツバチの巣を加熱・圧搾して採った蜜蝋を塗ります。
さらに、その上に粘土を上塗りしていくのです(外型)。
これによって蜜蝋が粘土で挟まれた上体部分を作り出します。
その部分に、今度は「銅」を流し込んだ後、上の粘土をはがす、という作業を行なったのです。
当然ですが、他にも多くの細かい工程があります。
そして、もちろん、これを一気に全体ができるわけがありません。
下から上へと、この作業を8回に分けて繰り返したそうです。
使われた銅は約24万トンとされ、当時日本にあった銅のほとんど全てが使われたと推察されています。
また、これだけの巨像を造立する為に、作業中の事故、鍍金の溶剤として用いられた水銀中毒など、想像を絶する困難と共に多くの尊い人命が失われていったと考えられています。

  奈良の大仏

完成時、聖武天皇は既に上皇になっており、孝謙天皇の時代の天平勝宝4年(752)に開眼式が行われたと伝えられています。
これにより、ようやく日本が安泰になったかというと、その全くの逆だったとされています。

あまりに大規模な「公共事業」により、国家財政は破綻寸前となり、民への負担は以前よりも増してしまったとされています。

「奈良の大仏」自身も完成後、散々な憂い目に合っています。
治承4年(1180)には「源氏と平氏の争い」、永禄10年(1567)には、戦国時代の真っ只中で首や手を焼かれてしまいます。
その後、胴体部分は、寿永2年(1183)に、顔は江戸時代の元禄年間(1688~1704)に修復され、現在に至っています。
この為、奈良時代に造られた部分は、台座の一部等が残されているだけとなってしまっています。

◆金剛力士像と「阿吽の呼吸」◆

「仁王立ち」という言葉、日本人なら誰でも聞いたことがありますよね。
この「仁王」とは、本来「二王」つまり「二つの王」をさしていました。
この為、多くの寺院において、金剛力士像が二体同時に造られて安置されている事が多いのです。

東大寺南大門にある鎌倉時代の運慶・快慶の合作である二体の金剛力士像はその代表格と言えるでしょう。

口を「ぁぁあああ!!」と猛々しく開けているのが阿形(あぎょう)です。
一方、口を「んんんん!!」と唸るように閉じているのが吽形(うんぎょう)です。
これは、サンスクリット語の五十二音の最初の「ア」と、最後の「ン」のことなのです。
日本語の五十音「あいうえお~ん」も、ほぼ同じですよね。
「ア」は万物の根源を、「ン」はその帰結を意味しています。
実は「阿吽(あうん)の呼吸」という言葉もここから来ています。

※「阿吽の呼吸」
2人の人物が呼吸まで合わせるように共に行動しているさまを阿吽の呼吸、阿吽の仲などと言います。

金剛力士像の役割は門に立ち、外敵を寄せ付けないことです。
この為、夜に見たら大人でも震えてしまうほどの恐ろしい形相をしています。
阿形、吽形、どちらの彫像も今にも動き出しそうなほどの躍動感にあふれています。
筋肉の描写は恐ろしいまでに実写的で、視線、腰のひねりまで、計算し尽くされています。
また、金剛力士像は、外敵を防ぐだけでなく、人間の内にある煩悩も粉砕してくれるとされています。

治承4年(1180)、東大寺は源氏と平氏との争いの最中に、平氏の軍勢により、大仏殿をはじめ、伽羅の大半を焼かれてしまいます。
正治元年(1199)、これらが再建された際、金剛力士像は、南大門とともに造られたとされています。

  金剛力士像

金剛力士像
金剛力士像

記録によると、この二体の金剛力士像はわずか69日で制作されたと伝えられています。
「寄せ木造り」、つまり木のブロックをあらかじめ造っておいて、現地で組み立てる工法が採られたとされています。
事前の準備期間があったにせよ、高さ10メートルにもおよぶ巨大かつ複雑な形をした像です。
現在の先端技術を持ってしても、これを造るのは至難の業なのに、何百年も前の人々が、組み立ても含め2ヶ月足らずで完成させているのは驚きです。
制作を指揮した仏師は、「運慶」と「快慶」です。共に慶派という仏師の一派に属していました。
運慶は他の作品(興福寺北円堂の無著像や世親像等)が遺されているものの、快慶に関しては詳しい記録はありません。
しかし、この2人が「阿吽の呼吸」で動いていた事は確かでしょう。

東大寺鐘楼
東大寺鐘楼
二月堂
二月堂(国宝)
三月堂(法華堂)
三月堂(法華堂)
正倉院
正倉院
大湯屋
大湯屋
四月堂
四月堂

◆オチャメすぎ!?東大寺の鹿◆

壮大な建築物に圧倒される観光客とは対照的に、のんびりと和んでいるのが東大寺周辺の鹿たちです。
その数なんと1000頭にも上ると言います。

言い伝えによると、春日大社(奈良公園内)を造る際、神様(タケミカヅチノミコト)が白い鹿にのってやったきた事から「鹿は神の使い」と大切に保護されて現在に至っています。

外国人観光客が奈良を訪れて最も感動する事の一つに、この鹿の「人懐っこさ」があるとか。
確かに、東大寺周辺にいる鹿は人に慣れており、愛嬌がありますが、実は野生の動物で、天然記念物に指定されています。

「鹿を見てると癒されるな~」と微笑んでいても、お土産屋さんで「おせんべい」を買った途端、「あっ」という間に「せんべい食べさせろー!」と、わらわら鹿が寄ってきます。なかなかせんべいをあげないと蹴ったりする鹿、記念撮影している人に混じってカメラ目線をする鹿など、訪れる人達を愉しませています。

  鹿
鹿

また、奈良を舞台としたTVドラマ『鹿男あをによし』の「鹿」もシュールな人気を集めています。
東大寺周辺が撮影に使われていて、ちょっとした旅行気分を味わう事ができるドラマです。
興味のある方はいかがでしょうか?

★『鹿男あをによし』(しかおとこあをによし)★
■制作:2008年01月~03月 木曜 22:00 フジテレビ(共同テレビ)
■原作:万城目 学「鹿男あをによし」(幻冬舎刊)
■脚本:相沢友子
■出演:小川孝信 … 玉木 宏
藤原道子 … 綾瀬 はるか
堀田イト … 多部 未華子
長岡美栄 … 柴本 幸
鹿    … 山寺 宏一
■物語:奈良の女子高に赴任した教師が奈良公園の鹿に命を受け、日本の滅亡を防ぐために奮闘する物語です。タイトルの「あをによし(青丹よし)」とは、枕詞で奈良の前につく修辞なのだそうです。
(公式ホームページ:http://wwwz.fujitv.co.jp/awoniyoshi/index.html)

【名称】
東大寺 (とうだいじ)
【宗派】
華厳宗 総本山
【開山】
良弁
【本尊】
盧舎那仏
【所在地】
〒630-8211 奈良県奈良市雑司町406-1
【問い合わせ先】
0742-22-5511
【交通アクセス】
JR近鉄奈良駅よりバス「大仏殿春日大社前」下車歩いて5分
【開門時間】
8:00~16:30(11月~2月)、8:00~17:00(3月)、7:30~17:30(4月~9月)、
7:30~17:00(10月)
【料金】
境内は自由、大仏殿、三月堂、戒壇院でそれぞれ、大人500円、子供300円
【公式ホームページ】
http://www.todaiji.or.jp/
【東大寺ツアー】(Travel.co.jp)
http://mokuteki.travel.jp/1/1/12/

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