今週の一言:天真に任す -良寛

意味:欲を離れて自然のままに身を任せて生きてみよう

「全てのこだわりを捨て、流れる水のように、空の雲のように、ただ自然の道理に身を任せよう」という曹洞宗の禅僧、良寛和尚の言葉です。

世間の評価や体裁にとらわれなかったと言われる良寛和尚は、現在でも多くの人から愛される禅僧の一人です。
多くの漢詩や和歌を残しましたが、これは有名な「生涯懶立身」の言葉の一つです。
良寛は「袋に三升の米と少しの薪があれば・・・」と、生涯無一物に近い状態で生活したとされています。
また、素朴な子供たちを愛し、「子供の純真な心こそが誠の仏の心」と考えたと伝えられています。
その慈愛の心は、周りの人々だけでなく花々や小道の雑草などの自然、小動物、昆虫、自分に害を加えようとする人や盗人にまで及んだと言います。
伸びる竹の子がつかえないようにと天井に穴を開けてたり、泥棒の為にわざと寝返りをうって布団を盗らせたりなど優しい逸話が多く残されています。

良寛は「足るを知る者を富者といい、足るを知らぬを貧者と呼ぶ」と仰ったそうです。 どれだけ財産を手にしても、満足できなければ「豊か」とは言えず、逆に、たとえ僅かな持ち物でも、それに満足していれば、それが本当の豊かさへ繋がるわけです。 現代で言えば、車や家、洋服、高価な宝石をどれだけ手に入れても、お気に入りの一着や、大切な人からもらった心のこもった思い出の指輪を持つ人の満足感には到底及ばないという考えです。

「さりげなく周りに差をつけよう」「ワンランク上の」「勝ち組」「デキる人の常識」etc..
街を歩いていると、多くの自尊心を煽るような謳い文句を見かけます。
日本の何でも揃う豊かな生活レベル、便利で華やかな物質が溢れているにも関わらず、
心が満たされず鬱や自殺に追い込まれてしまう現代の日本社会の人々を見て、良寛は何を思うでしょうか。
競争を煽られ、消費社会と言われるほど様々な欲にまみれてしまった私達は、良寛までとは行かないまでも、
一度、私利私欲から離れた生活をしてみるのも良いかもしれません。

「おてらいふ」
あなたの心とお寺を繋ぐ日本最大級の寺院総合情報サイト「おてらいふ」トップページへ